ステライト合金の種類と特徴


ステライトとは?

 

コバルトを主成分とし、クロム・タングステンを含み、さらに少量のモリブデン・鉄・炭素などを含む合金である。硬質で、耐磨耗性耐食性耐高温酸化性に優れる。商標名。

この3つの特徴を併せ持った合金でステライト以上は考え難いとされている。

またこの特性は1500℃~2000℃の高温環境でもほとんど変化しない。

 

豆知識

硬度について

硬い=持ちが良い と思われているお客様が多くいらっしゃいますが、全てにおいてそうではありません。もちろん高硬度が必要な品物もありますが、割れや欠けでお困りであればステライト21♯やステライト6#で検討した方が持ちが良くなる場合があります。

 

●硬度の高低差・幅について

例、ステライトNo,6 HRC39~46 と硬度に差があります。

これは施工法により硬度に変化が起こるからであり、

TIG溶接などではHRC約39~43

GAS溶接ではHRC約42~46

と変化します。 ※GAS溶接とは酸素アセチレンガス溶接の事です。

ステライトNo,21においてHRC約36とあるのはガス溶接が不可の溶材の為です。

 

上記豆知識以外にも多岐にわたるノウハウを持っております。

弊社では1961年創業以来の半世紀以上、肉盛り溶接を専門に行ってまいりました。

 

特殊金属の肉盛り溶接のご要望があれば何でも是非ご相談ください。


品 種

色別

製品の種類

用   途

ステライトNo.1

ガス溶接棒

TIG溶接棒

製紙、合板工業のカッタナイフなどの肉盛に使用されます。

ステライトNo.6

ガス溶接棒

TIG溶接棒

バルブの弁座、弁体、内熱機の排気弁などの肉盛に使用されます。

ステライトNo.12

ガス溶接棒

TIG溶接棒

バルブの弁座、弁体、シェンソーガイドバーなどの肉盛に使用されます。

ステライトNo.21

電気溶接棒

TIG溶接棒

衝撃の加わる高温高圧バルブ、熱衝撃の加わるホットシャーなどの肉盛に使用されます。


品 種

Co

Cr

W

C

Fe

Ni

ステライトNo.1

Bal

30

12

2.5

3

ステライトNo.6

Bal

28

4

1

3

ステライトNo.12

Bal

29

8

1.35

3

ステライトNo.21

Bal

27

0.25

2

2.5

Mo:5


品種

比重

融点()

熱膨張係数

(30~600)

硬さ HRC

引張硬さ

(kg/m)

弾性係数

(kg/m)

ステライトNo.1

8.48

1270

13.8×10-6

50~58

ステライトNo.6

8.47

1285

14.2×10-6

39~46

78

21.000

ステライトNo.12

8.42

1290

14.6×10-6

45~52

85

21.000

ステライトNo.21

8.30

1300

13.5×10-6

36

91

21.000