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ステライト溶接の魅力と可能性

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【目次】
・ステライト溶接のはじまり:意味と読みをわかりやすく解説
・クラックを防ぎやすいステライト肉盛り溶着技術の紹介
・円筒や別材質への溶接で気をつけたい品質管理ポイント
・ステライト溶接の欠陥を減らす肉盛り研削と技術解説
・まとめ

ステライト溶接のはじまり:意味と読みをわかりやすく解説
ステライト(Stellite)とは、主成分としてコバルト(Co)を含む合金の総称で、耐摩耗性・耐熱性・耐食性などに非常に優れた特性を発揮します。英語表記である「Stellite」は米国で始まったとされる商標の一つでもあります。実際には、ケナメタルステライトなど複数の商標・製品が存在し、それらを総合して「ステライト系合金」と呼ぶこともあります。

ステライトの合金は、コバルト(Co)とクロム(Cr)を中心に、タングステン(W)や他の元素(鉄(Fe)やニッケルなど)を加えて調整されることが多く、その結果、摩耗・高温腐食に強い特性を持つようになります。たとえばジェットエンジンの燃焼部品やバルブ部品、刃物など、さまざまな高温環境・摩耗環境で使用されることが一般的です。ステライト溶接は、こうした高耐摩耗性が必要な部分に肉盛りや補修を施すときに用いられ、部品寿命の延長やコスト削減を可能にします。

古くからガス溶接やTIG溶接(Tungsten Inert Gas溶接)がステライト溶接の主たる方法として利用されてきました。溶接棒としては、ステライト21やステライト6など複数の種類が流通しており、目的や溶接対象の材質、形状によって最適な品番を選択するのがポイントです。欠陥箇所を補修する際は、溶着部分の硬度(HRC値)を適切に管理し、仕上がりが目的の用途・環境に合致するかを見極めることが求められます。

クラックを防ぎやすいステライト肉盛り溶着技術の紹介
ステライト溶接で肉盛りを行う際に重要なのが、クラック(ひび割れ)の発生を防ぐという点です。ステライト系合金はコバルトを主体とした組成ゆえに、鉄との熱膨張差などによって応力が生じやすい場合があります。特に円筒形状や大きな部品への肉盛りを行う場合、溶接後の急冷や不適切な熱管理によってクラックが入りやすくなるため、あらかじめ適切なプリヒート(加熱)や徐冷を行うことが必要です。

ガス溶接の場合には、均一に熱を加える時間が長くなるため比較的クラックリスクが低減しやすいものの、施工に時間がかかるというデメリットも存在し、高度な溶接技術が求められます。一方、TIG溶接ではビード形成が安定しやすく、溶着が均一になりやすい利点がありますが、母材によっては不向き(割れが発生しやすい)場合があります。このように、それぞれの溶接方法には長所と短所があるため、製品の用途・材質・形状・必要とされる硬度(HRC)など、全体の加工要件を考慮して最適な手法を選択することが望ましいでしょう。

ステライト1やステライト6、ステライト12、ステライト21など各グレードによって成分比率が異なり、対応できる環境や硬度の違いがあります。肉盛りした後は研削や仕上げ加工によって部品の最終形状を整えますが、肉盛り層自体の硬さが高い分、切削工具への摩耗も大きくなる傾向があります。そのため、より高い加工技術や特殊な研削装置を備えている会社に依頼することが、余計なトラブルを防ぐうえで有効となるでしょう。

ステライトの合金の種類や詳細についてはこちら!

円筒や別材質への溶接で気をつけたい品質管理ポイント
ステライト溶接は、円筒形状のシャフト部分や、別材質(鉄系やステンレスなど)への溶着など、多方面で活用されています。こうした現場で特に気をつけたいのが、適用する材料の組み合わせと溶着部との熱膨張差、さらには部品全体の設計意図です。

品質管理においては、溶接前の試作品テストや溶接部位の非破壊検査を実施しておくことが望ましいでしょう。たとえば肉盛り後にX線検査、浸透探傷検査(PT検査)などを行ってクラックやピンホールの有無を確認し、高い品質要求を満たしているかをチェックするのが一般的な工程です。また、特に円筒形状の場合は仕上げの研削作業で真円度を確保する必要があるため、ステライト肉盛り後の仕上げ工具や治具の選定も重要な品質管理ポイントです。

高温環境にさらされるバルブ部品、または高い耐摩耗性が要求される刃先のような用途では、表面硬度と深部硬度の差を管理し、かつ長期的に安定稼働するかどうかを評価することが求められます。ステライト溶接は「高い強度と耐摩耗性を同時に満たしたい」というニーズに対応する強力な手法ですが、その分適切な品質管理と溶接ノウハウが必須になるのです。

まとめ
本記事では「ステライト溶接」にフォーカスし、そのはじまりや意味、クラックを防ぐための肉盛り溶着技術、円筒や別材質への溶接での品質管理ポイントなどについて幅広く解説しました。ステライトはコバルトを主成分とする高い耐摩耗性・耐熱性・耐食性を誇る合金であり、バルブや刃先など高温・高荷重・高摩耗となる用途に多く使用されています。この特性を活かすには溶接方法、溶接棒の選定、熱管理、研削など、複数の工程を連携させた品質管理が欠かせません。

「Stellite」は商標であり、「©」「All rights reserved」「ログイン」などの表示が見られる場合もありますが、実際にはさまざまな派生品や製品形状(棒や粉末)が存在します。溶接や肉盛りの際に必要になる成分バランス(Co、Cr、W、Feなど)は用途によって異なり、その結果HRc値が約30~50を示すなど、製品ごとの特徴も多様です。適切なグレードを選択し、予熱・後冷・溶接手順を含めた技術的ノウハウをしっかり押さえることで、クラックやピンホールなどの欠陥を最小限に抑えつつ、長寿命・高耐久の部品を実現することが可能です。

施工について疑問や不明点がある場合は、専門会社または関連情報を提供している技術者に問い合わせるのが正攻法です。中長期的な部品寿命と安定稼働を目指すうえで、ステライト溶接は非常に効果的な選択肢になり得ます。ぜひ、自社や担当製品での用途を改めて検討してみてください。

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